食料品を中心に私たちの身の回りのものの物価上昇は継続しており、毎月千品目を超える商品が値上げされています。湯浅紙店が取り扱っているものの中でも、影響が大きいのがトイレットペーパー。ということで、2026年もトイレットペーパー値上げ動向を見ていきます。
トイレットペーパーの値上げはいつから?値上げ幅は?
みなさんの最大の関心事は「いつも買っているトイレットペーパーはいつ値上がりするのか」ですよね?ということで、まずは各社の値上げ動向を見ていきましょう。
エリエール(大王製紙)
エリエールを展開する大王製紙は2026年2月4日に値上げを発表しました。値上げ時期は2026年4月1日からで1年ぶりの再値上げとなり、値上げ幅は10%以上です。
大王製紙ニュースリリース
クリネックス(日本製紙クレシア)、ネピア(王子ネピア)、エルモア(カミ商事)
これらの大手ブランドは、2025年春に大幅な値上げを実施したこともあり、2026年4月の時点では新たな値上げの公式発表はされていません。
ただし、先行する大王製紙の価格改定に合わせ、夏から秋にかけて追随する可能性は否定できません。特に日本製紙クレシアや王子製紙グループも、印刷用紙などの産業用・情報用紙については2026年2月頃から値上げを実施しており、衛生用紙への波及が懸念されています。
その他メーカー
その他のメーカーのトイレットペーパーも、2026年4月の時点では新たな値上げの公式発表はされていません。大手ブランドの様子見という状況です。
ということで、2026年の動向をまとめると、「大王製紙が先行し、他社は市況を静観している」という状態です。ただし、原燃料価格や為替の状況次第では、2026年後半にかけて他のメーカーも「再値上げ」に踏み切る可能性が高いでしょう。
値上げ対策にはコスパ最強の5倍巻きを!


一斉に値上げが一般的
例年だと、どの会社もほぼ同じ時期に値上げをします。各メーカーの主体性がないようにも見えますが、これには理由があります。
みなさんもなんとなくわかると思いますが、トイレットペーパーは「少しでも安く買いたい」と考えている人が多い商品です。なので、いつも購入している商品が値上げになると、他にもっと安く買える商品はないか、お店はないか、業者はいないか、と探すようになります。で、もし値上げされていない安い商品があると切替が起きやすいんですね。
ただし、トイレットペーパーは生産量を一気に増やすことが簡単にはできない商品です。つまり、需要が集中しても結局生産が間に合わなくなってしまうのです。もちろん、メーカーにとっては注文を微増させるようなことができると嬉しいわけですが、この調整は想像以上に難しいです。
このように、トイレットペーパーには横並びで各社が値上げをせざるをえないという事情があるのです。
ただし、2026年は値上げはエリエールのみとなっており、かなり特殊な状況です。結果として、エリエールの価格がしっかりと上がらない、または他社も遅れて値上げするのどちらかになっていくでしょう。
値上げ対策にはコスパが最強の5倍巻きを


トイレットペーパーが値上げされる理由
トイレットペーパーの値上げの動向がわかってきたところですが、そもそもなんで値上げになってしまうのかが知りたいところです。実は、トイレットペーパーが私たちの手元に届くまでのありとあらゆるコストが上昇しているという背景があるんですよね。それでは、トイレットペーパーが値上げになっている、その理由について、詳しく見ていきましょう。
理由1 原料価格の上昇
トイレットペーパーは古紙またはパルプを原料として製造されます。パルプも古紙も様々な要因で価格は上下しますが、中長期的には上昇します。
まず古紙については、そもそもの古紙の量が減っています。スマホの登場で人々は新聞や雑誌を読まなくなり、様々なシーンでペーパーレス化が進んでおり、紙の消費量が右肩下がりになっているので、その分古紙の量が減っています。古紙の供給量が減るほどトイレットペーパーなどの古紙需要が減るわけではないので、古紙の価格は上がっていくということになります。
パルプについては、大部分が輸入になっています。なので、世界的な需要や生産量によって価格が変動しますが、パルプを運ぶための輸送費や人件費は上昇し原料価格に転嫁されるため、結局価格は上がっていくということになります。
このような理由から、再生紙もパルプも中長期的には価格が上昇します。
理由2 燃料費の上昇
トイレットペーパーは機械をたくさん使用して製造します。原料となるパルプや古紙が持つ紙の繊維を細かくして水に溶かし、薄い紙になるようにすいて、乾かしていくわけですね。手でやる紙すきを体験したことがある方もいらっしゃると思いますが、これを巨大な機械で大量に実施していると考えればイメージできるでしょうか。
紙ができた後も、トイレットペーパーの形にして梱包します。これらの作業もほとんど機械がです。
ということで、大きな機械をたくさん動かすわけですが、ここにたくさんの電気が必要なのです。
理由3 物流費の上昇
世間では物流2024年問題として騒がれているように、物流業界で働く方々の働く環境改善により、物流費が値上げされます。ヤマト運輸や佐川急便など大手の物流会社が順次値上げしていますが、これを追いかけるように中小企業でも同様の値上げが実施されています。
トイレットペーパーは大きさの割に値段が高くないため、商品価格に占める物流費の割合が高いです。このため、物流費が上昇すると、すぐに商品の価格が上がってしまうのです。
また、トイレットペーパーの配送というのは物流業界の中でも人気がありません。商品が大きく重たいイメージがあり、1つ1つ荷物を積んだり降ろしたりするのがたいへんだからです。このため、物流会社としても他の仕事があれば、無理してトイレットペーパーを配送したいとは思わず、結果として料金が上がりやすいのです。
さらに、トイレットペーパーは今後もさらに物流費が値上げされる見込みです。実は、トイレットペーパー業界はパレット輸送が進んでいません。パレット輸送とはパレットと呼ばれる四角い板の上に商品を積んだまま商品を運ぶ輸送手段のことです。パレット輸送が標準になれば、物流会社の負担が軽減され、輸送手段の確保がしやすくなります。ただし、パレットごとトラックに乗せてしまうために、トラックに積載できるトイレットペーパーの数は減ってしまうため、結果としてトイレットペーパー1個当たりの物流費は上昇してしまうんですね。パレット輸送は大手製紙会社は取り組みを進めていますが、業界として標準化するまでには時間がかかり、今後このパレットの費用も製品価格に値上げという形で転嫁されていくことになります。
理由4 人件費の上昇
日本全体が賃上げになっているように、トイレットペーパー業界でも、働く人たちの生活環境を守るために賃上げが進んでいます。2024年度も大企業から中小企業まで多くのメーカーが賃上げをする予定です。
賃上げをしなければ、各メーカーの社員の生活の質がさがるだけでなく、製造に必要な社員を確保できなくなってしまい、予定している量の生産が行えなくなる可能性もあります。生活インフラとなっているトイレットペーパーが不足する事態を防ぐためにも、トイレットペーパーに関連する各社は、賃上げをしていく必要があるということです。
2026年に更なる値上げはあるの?
トイレットペーパーにおける値上げの諸事情があることがわかったところで、私たちが知りたいのは「2026年に更なる値上げるはあるの?」ですよね。
まず、2026年に入ってからまだ値上げをしていない大王製紙以外のメーカーの商品については、これまでお伝えしてきた通り燃料費、物流費、人件費の上昇という状況から、高い確率で今後値上げがあると考えてよいでしょう。
値上げ対策にはコスパが最強の5倍巻きを


値上げへの対策方法は?
トイレットペーパーの値上げの動向がわかったところで、少しでもコストを抑える方法はないのか、と言うのが気になるところではないでしょうか。
トイレットペーパーはかさばる商品になりますので、買いだめをするといっても限界があります。別の安い商品を探すという手も、結局他もすぐに値上げとなる可能性が高いために根本的な解決策にはならないでしょう。
唯一やれる策としては、今よりも長巻きのトイレットペーパーを選んでいくという方法です。長巻きとは、1ロールに巻いている紙の長さが長い商品のことです。シングルでいうと、通常50メートルの紙が巻かれているのに対して、最長では300メートルの商品が登場しています。長巻きは、長い紙がコンパクトにまとまっていることから、輸送コストや梱包コストを抑えることができるので、メートル単価は通常のものに比べて安くなる特徴があります。長巻きが気になる方は、一度試してみるといいでしょう。
まとめ
ここまでの話のポイントをまとめると
・2026年にトイレットペーパーは値上げ発表はエリエール(大王製紙)のみで、その他ブランドは様子見状態。
・トイレットペーパーに関するあらゆるコストが上昇しており、2026年中にその他ブランドも値上げに踏み切る可能性が高い。
・値上げの対策として、長巻きを選択するという方法がある
となります。
日々使うトイレットペーパーのコストが上がってしまうのは、消費者にとっては頭の痛い問題です。ただ一方で、生活になくてはならないものだからこそ、安定製造してもらえる環境の整備も大切で、しばらくは長巻きも選択肢にしながら、値上げを受け入れていく必要がありそうです。