トイレットペーパーのエンボス加工って何?どんな効果がある?

トイレットペーパーのエンボス加工って何?どんな効果がある?

 

日々の生活にちょっとした贅沢を取り入れたい方におすすめするのが、エンボス加工されたトイレットペーパーです。エンボス加工のない一般的なトイレットペーパーと比べて、やわらかさがアップし肌触りがよくなるため、多くのメーカーが製造しています。

今回は、トイレットペーパーのエンボス加工に関する基本情報や、具体的な加工方法、特徴などについて紹介します。

 

  

エンボス加工がされている代表的なトイレットペーパー商品

エンボス加工されたトイレットペーパーは、快適さや機能性で多くの人々に愛されており、日常生活の中でちょっとした贅沢感を味わえます。

エンボス加工されているトイレットペーパーを提供している代表的なブランドとして、以下が挙げられます。

・エリエール
・クリネックス
・ネピア

これらのメーカーはそれぞれ独自の技術を駆使してエンボス加工を行っており、特にエリエールは提供するシリーズによって加工内容と効果が異なっているのが特徴です。

例えば、「エリエール トイレットティシュー」や「エリエール i:na(イーナ)」は、紙の厚みを抑えたやわらかな品質を保つ「富士山エンボス」という加工を施しています。
一方で、「エリエール 消臭+(プラス)」は、肌触りの良い厚みとやわらかさを兼ね備えた「フラワーデザインエンボス」を採用しています。

このように商品の特性に合わせた加工を施すことで、利用者のきめ細かなニーズに対応でき、使用感の向上だけにとどまらずに利用者の日々の生活をより快適にすることが可能です。

 

 

トイレットペーパーにエンボス加工をする目的

トイレットペーパーにエンボス加工を施すことには、さまざまな利点があります。エンボス加工を施す目的として、主に以下の2点が挙げられます。

・ 肌触りをよくするため
・ 吸水性を上げるため

それぞれの目的について詳しく見ていきましょう。

 

肌触りをよくする

エンボス加工を施すことで、トイレットペーパーの表面が柔らかくなります。この加工により紙の表面に細かな凹凸が生まれ、使用時の肌触りが柔らかくなるという仕組みです。
デリケートな肌に対して優しい感触を提供することで、使用者が快適な体験を実現することが可能です。

 

吸水性を上げるため

トイレットペーパーにエンボス加工を施すもう一つの目的は、吸水性を向上させることです。ダブルの場合、2枚の紙を重ねてトイレットペーパーが製造されていますが、紙に凹凸があることで、重なった2枚の紙の間にすきまができるため、水分を効率よく吸収できるのです。

  

 

そもそもエンボス加工って何?

エンボス加工とは、紙や布、プラスチック、金属などの素材に立体的な模様や文字を浮き上がらせる加工技法です。この技法を用いることで、製品に高級感や独自のデザイン性を持たせることができます。

トイレットペーパーにおけるエンボス加工では、高級感やデザイン性だけでなく、肌触りのよさの向上や吸水性のアップなど、製品の品質や機能性にも影響を与える重要な技法といえます。

 

 

どのような加工がされているかはどこを見ればわかる?

製品に施された加工を確認するためには、いくつかの方法とポイントがあります。

具体的には以下の方法が挙げられます。

・製品パッケージの説明
・メーカーのウェブサイト
・商品サンプル
・レビューや口コミ

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

 

製品パッケージの説明

パッケージには製品の特徴や加工方法についての情報が記載されています。商品ごとにパッケージでどこまでエンボス加工を打ち出しているのかは差がありますが、エンボス加工されているものは、ほぼ間違いなくパッケージに記載されていると考えて良いでしょう。

 

メーカーのウェブサイト、カタログ

メーカーのウェブサイトやカタログには、製品に関する詳細な仕様情報が掲載されています。特に、ウェブサイトでは製品の製造過程や品質管理、技術についても紹介されていることがあるため、より深い製品内容を知ることができます。

もし、ウェブサイトに確認したい情報がない場合や気になることがある場合は、思い切ってメーカーの窓口に問い合わせてみましょう。

 

商品サンプル

エンボス加工は視覚的な確認だけでなく、触覚的な確認もポイントです。実際に製品を手に取ってみて、表面の凹凸を感じることで加工の有無や品質を確認できます。

ホームセンターやスーパーマットなどでは見本品をおいている場合があるので、その時はぜひ見て触って確認してみましょう。実店舗で見本品を確認できれば、実際の質感やデザインを直接確認することが可能です。

もし法人の方でお付き合いのある販売業者さんがいる場合は、商品サンプルを依頼してみるのもいいかもしれません。(ちなみに、湯浅紙店では無料で商品サンプルをお送りしています)

 


レビューや口コミ

オンラインショップにおける購入者のレビューやSNSでの口コミをチェックすることで、実際の加工内容や、加工による消費者の使用感、満足度を知ることが可能です。エンボス加工の品質や効果について具体的な感想を述べているものは、製品を知る上で有効な情報となる場合があります。

ただし、レビューや口コミは正しい情報が投稿されていない場合もありますので、確認する側が情報を選別すると共に、あくまで参考として確認するのが良いでしょう。



エンボス加工のメリットデメリット

トイレットペーパーのエンボス加工についていろいろと見てきましたが、ここでそのメリットデメリットについて整理してみましょう。


メリット①|さわり心地がやわらか
メリット②|吸水性アップ
メリット③|贅沢さを感じられる
デメリット①|価格が比較的高め
デメリット②|長巻きに向かない

それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

 

メリット①|さわり心地がやわらか

エンボス加工されたトイレットペーパーは、紙の表面に小さな凹凸があるため、肌に触れたときの摩擦が少なくなります。これにより、利用者はさわり心地にやわらかさを感じることができ、肌がかぶれやすい人でも安心して利用することが可能です。

特に敏感肌の方にとっては、エンボス加工されたトイレットペーパーを使用することで、快適な使用ができる可能性があります。

 

メリット②|吸水性アップ

ダブルの場合、2層の紙に凹凸があることで、重なった紙の間にすきまができるため、水分を効率よく吸収できるようになります。

 

メリット③|贅沢さを感じられる

やわらかで肌触りがよいエンボス加工のペーパーは、使用する人に贅沢な気分を感じてもらうことができます。そのため、VIPな方が利用するトイレで使われる例が多いです。高級ホテルやレストランを運営している場合は、エンボス加工のトイレットペーパーの採用を検討してみても良いでしょう。

 

デメリット①|価格が高い

エンボス加工は製造工程において追加の加工ステップが必要となるため、通常のトイレットペーパーよりもコストがかかります。このためエンボス加工されたトイレットペーパーは、加工がないものに比べて、価格が高くなります。

 

デメリット②|長巻きに向かない

通常よりも長い紙を巻いている「長巻き」は近年利用者が増加していますが、エンボス加工との相性はあまりよくありません。長巻きは圧力を掛けて紙を巻くことで、長い紙を巻き付けるため、凹凸によるふんわり感を感じにくいです。エンボス加工の良さを感じるためには、短めの紙の方が向いているでしょう。

 


トイレットペーパーのエンボス加工とクレープ加工の違い

トイレットペーパーの紙の加工方法で最も認知されているのがエンボス加工ですが、実は「クレープ加工」という別の加工方法もあります。クレープ加工とは、トイレットペーパーの紙に波状のしわをつけ、伸縮性ややわらかさを持たせる加工方法です。

クレープ加工により、薄い紙でありながら強度が増し、破れにくく、しっかりとした使用感を維持できるため、いくつかの商品で採用されています。

エンボス加工とクレープ加工の違いを整理すると以下のようになります。

 特徴 エンボス加工 クレープ加工
加工方法 表面に凹凸をつける 波状のしわをつける
使用感 肌触りが良い やわらかい、肉厚感
吸水性 向上する 通常
耐久性 通常 破れにくい
デザイン性 高い 普通


エンボス加工は見た目のデザイン性や使用感の向上に重きを置いた製品であり、高級感を求めるユーザーに好まれる傾向があります。
一方、クレープ加工は実用性を重視し、耐久性とやわらかさを求めるユーザーに適しています。

利用者の用途や好みに応じて、これらの加工方法を施したトイレットペーパーを選択するのが良いでしょう。



まとめ

エンボス加工されたトイレットペーパーは、日常にちょっとした贅沢感をもたらし、肌触りの良さと吸水性の高さで、多くの人々から支持されています。価格が高くなってしまうというデメリットはありますが、それよりも快適さを重視する方にはおすすめの加工方法と言えるでしょう。また、各メーカーが提供するエンボス加工の方法は微妙に異なるため、気になる方はそれぞれの商品を試しに使ってみることをおすすめします。

もし日々の生活をより快適にしたい、またはVIPな方が利用される施設などで利用者の方への贅沢感をさらに向上させたい、とお考えの方は、エンボス加工のトイレットペーパーの採用を検討してみてください。

 


湯浅紙店 監修

湯浅紙店を運営する株式会社ユアサのスタッフが監修しています。ユアサは創業大正14年。トイレットペーパーやティッシュペーパー、ポリ袋などの日用消耗品の卸売、販売の老舗企業です。特に、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの家庭紙製品については、日本国内の多数の製造工場の見学や、工場責任者との意見交換により、製品製造に関する知見を深めています。また、アンケートや訪問により特に企業の消耗品利用ニーズにも精通しています。

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