トイレットペーパーがないときに代用できるものはなに?昔懐かしい「落とし紙」は使える?

トイレットペーパーがないときに代用できるものはなに?昔懐かしい「落とし紙」は使える?

 

 

トイレットペーパーの予備をうっかり買い忘れ、いざトイレを使った時に紙がない!そんなヒヤリとする事態になってしまったらどうすれば良いのでしょうか。
実はトイレットペーパーがなくても、身の回りで代用できるものはたくさんあります。特に落とし紙(ちり紙)を持っている場合は、とても良い代用品として使えます。
今回の記事では、トイレットペーパーの代用になるものと、特に代用品としておすすめの落とし紙について解説します。
また、トイレットペーパーがない時代には何を使っていたのかも併せてご紹介します。
※今回ご紹介した代用品の中には、本来の用途以外の使用を推奨していないものもあります。製品個別の注意書きをお読みのうえ、自己責任でご使用ください。

 

家でトイレットペーパーの代用になるもの

家のトイレでトイレットペーパーを切らしてしまった時は、手近なもので代用しましょう。代用品の候補となるものをご紹介します。
ただし、水に流せるティッシュペーパー以外はトイレに流さないようにしましょう。詰まりの原因になってしまいます

 

水に流せるティッシュペーパー

水に流せるティッシュペーパーが最も便利です。ティッシュペーパーはふんわりと柔らかく、トイレットペーパーに似た使い心地です。
しかし、ティッシュペーパーは水に溶けにくく、トイレに流すと詰まってしまう可能性が高いです。
なぜなら、ティッシュペーパーには、繊維同士のつながりを強くする薬剤が使われており、水にぬれても繊維がほぐれづらくなっているためです。
流せるティッシュペーパーは通常のティッシュペーパーより繊維が短く、また水に溶けやすいデンプンで繊維を固めているため、大量の水に浸すとバラバラになる性質があります。
ただし、トイレットペーパーよりは詰まりやすいので、一度に大量に流すのは避けましょう。

 

キッチンペーパー

キッチンに落ちた水や汚れをさっと拭く時に使うキッチンペーパーは、吸水力も十分でトイレットペーパーの代用として使えます。薄いものもありますので、複数枚重ねて使うと良いでしょう。

 

新品のマスク

使い捨てマスクの多くは不織布でできていますが、これは介護用の使い捨ておしりふきと同じ素材です。トイレットペーパーとしても問題なく使えるでしょう。
ただし、ワイヤーが入っているものもありますので、ケガをしないように気をつけましょう。
また、使用済みのマスクは雑菌が繁殖している恐れがあるため、使わない方が無難です。

 

大きめの化粧用コットン

化粧用コットンもトイレットペーパーの代用品になりえます。肌触りが良く、デリケートな部分を拭くのに向いています。

 

おしりふき

赤ちゃん用のおしりふきは清潔で肌触りが優しいため、トイレットペーパーの代わりとしても役立ちます。水に流せるタイプであればそのままトイレに流すこともできます。しかし、大量に流すと詰まってしまうことがありますので、少しずつ流すようにしましょう。

 

コピー用紙や新聞紙

コピー用紙や新聞紙のような硬い紙も、揉んで柔らかくすればトイレットペーパーの代用になりえます。しかし、使い心地は良くありませんので、よほどの緊急事態でないと使う機会はないでしょう。また、新聞紙を使うとインクが肌につくことがある点もネックです。

 

使わない布切れやタオルなど

使わない布切れやタオル、ハンカチなどで拭く方法もあります。使いやすいサイズに切って使いましょう。詰まりやすいため、絶対に流してはいけません。

 

ペットシーツ

ペットを飼っている方は、ペットシーツをトイレットペーパーの代用品として使うこともできます。
ペットシーツの大きさは、レギュラーサイズで40㎝×30㎝程度です。トイレットペーパーとして使用するには大き過ぎるので、使いやすいサイズに切っておきましょう。

 

シャワーで洗う

温水洗浄便座であれば、シャワーで洗うのも一つの手段です。トイレットペーパーで拭くより刺激が少なく、お肌に優しい点もメリットです。ドライ機能がある場合は温風で乾かし、ない場合はタオルなどで拭き取ると良いでしょう。
温水洗浄便座ではない場合、お風呂に行って洗うのも良い方法です。

 

 

外出先でトイレットペーパーの代用になるもの

駅や駐車場などでは、盗難防止のためにトイレにトイレットペーパーを設置していないところも少なくありません。
トイレに入って用を足したものの、トイレットペーパーがないことに気づいた場合はどうすれば良いのでしょうか。持ち歩いている可能性が高く、トイレットペーパーの代用品になりうるものをご紹介します。

 

ポケットティッシュ

トイレットペーパーの代用品としてまず思い浮かぶのがポケットティッシュです。肌触りが柔らかく、トイレットペーパーに使用感が似ています。
しかし、先述の通りティッシュはトイレットペーパーとは繊維の構造や加工方法が異なります。トイレに流すと詰まる恐れがありますので、使用したティッシュは袋に入れる、もしくは新しいティッシュに包むなどしてゴミ箱に捨てましょう。
外出する際には、トイレで使える流せるティッシュを携帯すると安心です。

 

ウエットティッシュ

ウエットティッシュを持ち歩いている方も多いのではないでしょうか。しっとりと濡れて柔らかいウェットティッシュは、トイレットペーパーの代用品として使用できます。
1点注意したいのがアルコールです。除菌用のウエットティッシュにはアルコールが含まれており、肌の弱い方はかぶれる恐れがあります。
おしり拭きと同じく、ウエットティッシュも流せるタイプがあります。流せるタイプでも一度に大量に流さず、少しずつ流すようにしましょう。

 

トイレットペーパーの芯

昔からあるライフハックとして、トイレットペーパーの芯を使う方法があります。芯を薄くはがし、よく揉んで使うのです。硬くて使用感は良くありませんが、どうしてもという時は試してみるのも良いでしょう。

 

 

トイレットペーパーの代用としての「落とし紙」とは

昔、トイレでは「落とし紙」が使われていました。
落とし紙とはどのような紙なのでしょうか。また、落とし紙は現在でもトイレットペーパーの代用として使えるのでしょうか。
落とし紙の特徴とメリットをご紹介します。

 

落とし紙ってどんな紙?

落とし紙はちり紙とも呼ばれる薄い紙です。
本来、和紙の材料である「楮(こうぞ)」の外皮のくずから作られており、トイレの時に使うほか、鼻をかむ時や和紙を包むときなどに使われていました。
昔はこの落とし紙を箱に入れてトイレの片隅に置き、用を足す際に使っていたそうです。
しかし、落とし紙が使われていたのはトイレが汲み取り式だった時代です。現代に合わせてトイレに流せる落とし紙も多くありますが、半紙のようなしっかりした手触りの水に溶けないものもあります。落とし紙を使う時は、水に流せるかどうか確認しましょう。

 

落とし紙を使うメリット

トイレットペーパーの代わりに落とし紙を使うメリットとしては、以下のようなものがあります。

面積が広い

落とし紙のサイズは20㎝四方前後です。トイレットペーパーをミシン目で切った時のサイズは一般的に11.4㎝×22.8㎝程度と、落とし紙の半分程度です。
落とし紙は充分な面積があるため、汚れがはみ出しにくいというメリットがあります。

片手で取れる

トイレットペーパーは使用する際、片手でトイレットペーパーホルダーの蓋を押さえて、もう片方の手でペーパーを切り取る必要があります。
しかし、落とし紙は1枚ずつバラバラになっていますので、片手で取ることができます。
手を怪我している方や手が不自由な方にも使いやすい点もメリットといえるでしょう。

使いやすい

ロールになっているトイレットペーパーは壁のホルダーに設置しやすい、コンパクトにまとまるといったメリットがありますが、その反面、以下のような問題があります。
 ・ 新品の場合、端が分かりづらい
 ・ ミシン目通りに切れず、端がボロボロになる
 ・ 落とすと転がってペーパーが広がってしまう
1枚ずつ使う落とし紙であれば、このような問題は起こりません。トイレットペーパーを使うのがストレスになっている方は、落とし紙を試してみても良いかもしれません。


トイレットペーパーがない時代はどうしていた?

 

今でこそ安く気軽に買えるトイレットペーパーですが、昔は高級品でした。
トイレットペーパーが生まれたとされる1300年前の中国では、皇帝や富裕層など、身分の高い人しか使えなかったといわれています。
それでは、トイレットペーパーが手に入らない時代には人々は何を使っていたのでしょうか。日本の事例を中心にご紹介します。

 

自然素材

身の回りにあり、加工をせずに使える自然素材はトイレにも良く使用されていました。
日本で特に活用されていたのがフキの葉っぱです。フキは大きいうえに、刈り取ってからしばらく置くとスエードのようなしなやかな肌触りになります。「フキ」という名前は「拭く」から来ているという説もあるほどです。
他には、クズ、ヨモギ、柿、カラムシ、ギシギシ、農作の副産物として取れたわらやトウモロコシの皮なども使われていました。
また、杉の枝や竹を細く切ったものやイタドリの茎などでおしりをぬぐうこともありました。
また、海外へ目を向けると、羊毛や海綿、りんごの皮などが使われることもあったそうです。

 

2000年前の中国では、布をトイレットペーパーの代わりに使うことがあったようです。
シルクロードで発見された古代のトイレ遺跡では、布に巻き付けた竹の棒を使用した証拠が発見されています。

紙が貴重だった昔の日本では、新聞紙や古雑誌、張り替えた後の障子紙などの古紙をトイレットペーパーとして使用していました。古紙は小さく切って糸を通し、トイレの柱にくぎで吊るして使うことが多かったようです。

 

トイレットペーパーを使用するのは、世界の中で3分の1程度しかありません。昔も今も、用を足した後に水で清める地域は数多くあります。
例えばインドでは、用を足した後、桶から水を汲んでおしりを洗います。外で用を足す際には水を入れた空き缶を持って行くこともあるようです。
また、アラブ諸国や熱帯地方では、現在でもトイレに設置している水道のホースで汚れを落とします。
水で洗うと、紙で拭くより早く清潔で、ゴミも出ません。水が豊かで暖かい地域であれば、水での洗浄は理にかなっているといえるでしょう。

 

 

まとめ

トイレットペーパーがない時の代用品の例や、代用品として使える落とし紙の特徴、トイレットペーパーがない時代に使われていたものについて解説しました。
普段当たり前に使っているトイレットペーパーがないと慌ててしまいますが、代用になるものはたくさんあります。日本で昔から使われていた落とし紙はもちろんのこと、身近にあるものを使えばトイレットペーパーがなくても快適に用を足すことができます。
昔は葉っぱや木などの自然物や使い古した紙などを活用してトイレを済ませていました。トイレットペーパーがなくなったときは、様々な工夫で上手に乗り切りましょう。

※トイレットペーパー以外のものを使う場合、「水に流せる」という表示がないものについては、トイレに流すことは絶対にやめましょう。つまりや故障の原因となります。

 

 

湯浅紙店 監修

湯浅紙店を運営する株式会社ユアサのスタッフが監修しています。ユアサは創業大正14年。トイレットペーパーやティッシュペーパー、ポリ袋などの日用消耗品の卸売、販売の老舗企業です。特に、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの家庭紙製品については、日本国内の多数の製造工場の見学や、工場責任者との意見交換により、製品製造に関する知見を深めています。また、アンケートや訪問により特に企業の消耗品利用ニーズにも精通しています。

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